十回余りの入院中、毎回、殆どの患者さんとは陽気で、女子会のように和気あいあいと過ごし、退院後も連絡がとりあえる大切な友人ができることはこの病気になったギフトの一つだと思っています。
その中でも、4年前の治療の時に知り合ったEさん。
罹患部位が違うと病棟も違うので本来なら出会うこともないはずだったのですが、たまたま、彼女の病棟が満室だっため、私の入院病棟に入院してきました。
初めの頃は、同じフロアでしたが、病室は違うので、廊下で会っても会釈する程度。
そのうち、私の以前の入院の時に同室だった方と一緒に私の病室に遊びにきてくださり、同じ世代の患者が少なかったのでお互い共有できる部分が多かったので、一気に打ち解け合えました。
Eさんは、別の病院で看護師長さんとして働かれているだけあってものすごく寛容な方で、話していると不思議と心が穏やかになる癒し系の方でした。
雑談の中で、私よりも4年ほど前に罹患していた先輩サバイバーであることが分かりました。
そして、彼女が手術を受けたことにより苦しめられたリンパ浮腫という副作用。
普通なら、自分の治療に集中するだけだと思いますが、Eさんは副作用で悩む女性の為にリンパ浮腫セラピストの資格を取り、患者さんに治療を行っているということで、当時の私に、「ガンになっても働くことができる」という希望を与えてくれた方でした。
そして、私に「治療が落ち着いたら私にできることは何だろう」と考えるきっかけを与えてくれた方。
Eさんとお会いした時は、術前抗がん剤中で、数ケ月後の手術の方法で悩んでいた頃でした。
なにせ、手術の選択肢が幾つもあり、素人の私はどれが最適かわからず、悩んでいた時に、本当に親身になって寄り添って頂きました。
決して、強要せず、見事なまでの聞き役に徹して下さり、私と同じ病気を経験したEさんのご友人を紹介してくださりお話ができたことで、整理ができ、私自身が決断をし、納得して手術、治療に向き合うことができたのもEさんやEさんのご友人のおかげ。
先日、そのEさんとお会いすることができました。
なんと、Eさん、この数年の間に医療従事者と患者の間の架け橋となって尽力してくださる医療コーディネイーターの資格をとって更にご活躍されておりました。
患者さんのご要望で東京や大阪などにも出向かれたり、看護学校での講演活動などもされているという聞けば聞くほど、関心しきり。
現在、医療コーディネイーターはまだ日本では75人しかいらっしゃらないとか。
その殆どが病院の中で勤務される看護師さんらしく、病院側にたった発言、行動しかできないことにもどかしさを感じたEさん。
もっと、患者さんやご家族に寄り添いたいという信念から昨年フリーとなって正真正銘、患者側に寄り添う立場で尽力されていらっしゃいます。
確かに、治療中は、医療従事者たちの何気ない言葉に落ち込んだり、治療の選択を患者に求められることが多かったので、そういう患者の代弁者となった人が間に入ってくれると心強いなと思いました。
医療コーディネイターは、病理の結果を聞きに行く時の同行から、セカンドオピニオンの相談、ガンだけでなく、認知症まで全ての病気に対して病気のことから経済的な悩みに対しても、協会に賛同してくださっているドクターや社労士さんなどその分野のエキスパートたちと連携対応して頂けます。
別れ際、「自分が後輩サバイバーさん達に対してどんなことがお手伝いできるのだろうと悩む必要はなくて、こうやって元気な姿を見せるだけでも、後輩サバイバーさんたちのお手本になるんですよ」と優しくおっしゃったEさんの言葉にまたまた励まされ、帰路に着きました。
Eさんみたいな医療コーディネイターが告知の時や術後の病理の時に同席してもらえたらあんなに悩むこともなかったかなと思った次第です。
病気のことで悩まれている方、治療に前向きになれない方には、是非、患者の価値観やライフスタイルに合った治療や療養を実現するためのアドバイスや、病院や医療者と患者をつなぐためのサポートをしてくれる医療コーデイネイターを活用して頂きたいなと思っています。
医療コーディネイターにご興味の有る方は：
◆一般社団法人 日本医療コーディネーター協会
http://www.jpmca.net/ Email：info@jpmca.net FAX：03-5621-8611
協会事務局にメールやFAXで相談内容や希望事項などを連絡後、協会からコーディネーターを紹介してもらえるようです。
Eさんにご興味のある方はお気軽にinfo@scarf4u.net までご連絡下さい。自信をもっておすすめできる方です。
皆様の気持ちが少しでも軽くなりますように。
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